レオ動物病院

鳥取県米子市のレオ動物病院のブログです。 主に病気や予防の説明を書いていきます。

カテゴリ:病気の予防 > ワクチン

ワクチンについて説明していきますが、簡単な免疫の知識が必要なので、その話をします。

 

免疫とは、「免(免れる)(病気)」、病気から免れる体の仕組みのことを言います。


もう少し詳しく書くと、体が、自分以外の物体(病原菌・その他)を排除しようとする働きの事です。アレルギーなどにもこの働きが関わっています。

 

大きく分けると

 

〇細胞性免疫 好中球やマクロファージが病原体や異物を食べる作用


〇液性免疫 免疫細胞が作った抗体による作用

の2つに分かれます。
免疫の説明
ワクチンに大きくかかわるのは液性免疫なので、ここに絞って話していきます。

液性免疫

 

抗体とは、B細胞が作るタンパク質でできている槍みたいなものです。以下の作用を持ちます。

 

〇中和作用 細菌や毒素を取り囲んで中和(無力化)する

〇オプソニン化作用 病原体や異物に取り付いて食べやすくする。

〇補体系活性化作用 血液中の補体を活性化させ細菌を破壊する。

抗体の働き

 

病気Aに感染すると、その病原体Aに対応したA抗体が作られます。病原体Aへの攻撃が終わった後も、病原体Aの情報とA抗体の作り方は免疫細胞によって記憶されるので、次に同じ病原体Aが侵入した時に短期間で抗体が作られるようになります。


この状態のことを「病原体Aに対し免疫を獲得した」と言います。

メモリー細胞









その1で話した通り、一度病気に感染すると免疫を獲得します。

ただし、その一回の感染で死んでしまったり、後遺症が残ってしまう事があります。

そこでワクチンの出番になります。

ワクチンの働きを簡単に言うと

「病原体の死骸か、弱らせた病原体を体内に入れ、感染した時の予行演習をさせておく」

 

事前にメモリーB細胞やメモリーT細胞に病原体の情報を覚えさせておくと、感染した時の反応がものすごく早くなる=感染しづらい・感染しても軽症で済む、というわけですね。

ワクチンで練習

ワクチン接種時


        ↓
ワクチン接種時2




 

 病原体来襲!
病原体来襲!


 

 

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